17|180912|沖縄

 友人の協力を得て、これまで使ってきた旧い道具などを整理し処分した。実務的な問題もあって完了までにそれなりの時間はかかったが、ようやく一区切りをつけることができた気がする。愛着あるものごとを整理するのはエネルギーを要するが、また一つ完了したということで感じるのは達成感というよりも安堵感である。

 

 そろそろ前を向いて歩き出さなくちゃと思う一方で、身体は言うことを聞いてくれない。しかしこれまで愚痴や不満を時々こぼしながらも、ぼくの思いを汲みとって懸命に動いてくれた彼らのことを考えれば、誰がそのことを非難し糾弾できるだろうか。そろそろぼくのほうが彼らの声に耳を澄ませてみてもいいのではなかろうか。

 

 前へ前へと生きてきた。後ろを振り返ること、そしてそのためにもまずは立ち止まることに対して、これほどまでに苦手意識をもっているのはなぜなのだろうか。正確には苦手意識というよりも、なにかしらものすごく恐ろしいものが自分のところにやってきそうで怖かったのだ。いずれにせよぼくはどうしても立ち止まることができなかった。

 

 今まさに自らが人生における転機を迎えているという自覚をもっているが、その感覚が正しいのかどうかの確証などはない(もちろん)。誰かのために今目の前のことに集中できる自分を改めてつくっていければとは思っている。そのためにも、まずはこれまでのことに自分なりのけじめをつけなければならない。

 あまり賢いやり方ではないのかもしれないが仕方ない。しかしそれがぼくという人間だし、ぼくはそいつと付き合っていくことをつい先日決めたばかりなのだ。