20|180915|東京

 夜明け前、大型のスーツケースで旅支度を整える。物音に気付いて娘が起きてくる。

 

 次の春までの過渡期にあって、その多くの時間を愛着の強い人や地域と離れて過ごすことを決めた。今回は1819日の旅程だが、途中で家族も合流する予定もあり、お試し期間のような位置付けで捉えている。本番はその先にあり、さみしさや不安がないわけがないが、以前と比べるとだいぶ緩和したように思う。

 

 沖縄でラストコンサートのアムロちゃんに後ろ髪を引かれつつ(もちろんプレミアチケットが手元にあるわけではない)、早朝便で沖縄を発つ。今日の目的地は東京。

 

 

 意思の在り処について考えている。ぼくの行動のどこまでが意思によるもので、どこからが惰性によるものなのか。あるいは自由について考えている。ぼくはどれぐらい不自由であり、そして自由でありえるのか。そして、ぼくはどこまで自分のことを知っていると言えるのであろうか。

 

 夜はホテルに戻り、アムロちゃんのニュースをチェックし、「平野啓一郎の世界」という文芸誌の特集を読む。

 

 少しずつであるが捉えたい核心部分に近づいていることが感じられる。ほふく前進。ジリジリとでも自らの真相に近づいていければいい。焦る必要はない。そうしてぼくは少しだけ安心する。