35|180930|広島

 台風24号が日本列島を直撃。沖縄の家族は無事であったが、娘の幼稚園の外壁や屋根が破損したとのことで、明日の幼稚園は休園になったという。滞在先の広島も雨。ホテルのコンビニで食料を買い出し、部屋にこもって一日を過ごす。札幌で地震に遭ったときのことを思い出す。

 

 沖縄県知事選挙の結果が出た。いつもと比べて今回の選挙におけるぼくのスタンスは鮮明であった。元来からのぼくの傾向においては、そうしたことは案外珍しいことであったかもしれない。ほとんど誰も見ていないとは言え、ブログのような公共空間でこうした話題に触れることも含め、ぼくのなかで沖縄との関係が変化しつつあるのかもしれない。

 

 いずれにせよ、当面の沖縄県知事は決まった。ぼくは自らの1票を投じ、自らの思いを託した候補者が当選した。もちろん良かったとは思う。それは心から思っている。だが現実は当面の県知事が決まっただけのことで、これから県知事となった氏が直面する困難にぼくの意識は向かっていく。

 

 自治の思想を基盤とし、後世に語り継がれうるような意思決定を新知事が為したとしても、それだけで現状を転換させることはできない。そこに途方もない困難が生じているのである。新秩序構築に向かうために、まずは日本国との深い対話と理解が必要であろう。とは言え、県知事やその周辺関係者が動くだけで解決に向かっていけるしろものでもなさそうである。対話そのものが難しい相手といかにして対話関係をつくり、ともに新たな道を探索していくのか。これは国家外交に限らず、ぼくたちの日常生活にもありふれたテーマである。

 

 新しい県知事は、沖縄県そして県民の抱える苦悩や困難そしてその先にある希望を引き受け、その立場における責務を全うしようと死力を尽くすであろう。同時代を平民として生きているぼくは、果たしてどのように沖縄に関わり、自らの人生やこの世界にどのように臨んでいくのか。

 沖縄に移住してある時点から、ぼくはそうした問いを大切なものとして生きてきたし、自由になった今にあってあらためてそれを自らに問うている。もちろん政治にどう関わるかという意味合いをはるかに超え、この時代に日本国に生を受け、沖縄に縁あった一人の生活者、一人の人間として。

 

 ぼくは沖縄に移り住み、この地から日本や世界を深く知っていった。沖縄県の課題とは日本国の課題でもあり、日本国の課題は言うまでもなく日本人の課題である。さて、いかに世界に関わるか。