55|181020|札幌

 晴れ間が見えた。

 

 いつもより少し遅めの朝食をとる。ホテル近くの公園を散歩し、気になっていた音楽堂の下見と神社参拝を済ませる。秋の陽光を受け、木々の葉っぱや池の水面がきらきら輝いている。まだ10月中旬だというのに、札幌はすっかり紅葉の時季を迎えている。

 

 ホテルへの帰路、文学館のポスターが目に入る。館内にまで足を踏み入れ、気になるチラシなどを幾つか手にとってみる。今は北海道出身の詩人の展示会をやっている様子。興味はあるが今日はやめておこうとぐっと踏ん張る。滞在中に改めて立ち寄ることにする。

 

 文学館を出て顔をあげると、なんとなく雰囲気のあるお店が。coffee? と看板に書いてある。コーヒーショップのようだ。洒落たお店。妻が好きそうな感じ。店に立つ店主も含めて全体的にセンスが良い。ぼくにはちょっと見合わないが、決して嫌いなわけではない。気が満ちた場にいるとエネルギーが充填される感じがする。ビッグサイズのカフェ・オレをテイクアウト。

 

 札幌に来てからというもの日中はホテルにこもりっきりだったのだが、やはり出てきて良かったのだろう。少しストイックにやり過ぎていたかもしれない。ゼロか100か。いつものパタンに執着していたようだ。余分な力も入っていたのだろう。

 

 新しいプロジェクトの相談が来ていたが、なんだかんだと理由をつけて先延ばしにしてきた。実のところ、それがずっと気になっていた。連絡をとって早速オンライン会議をやることになる。先方の想定するイメージがつかめたら少しほっとした。そもそもぼくは仕事をするのが好きなのだ。理由があるとは言え、ストイックに仕事を抑制しようとし過ぎていたかもしれない。

 ミーティングのあとで仕事仲間に電話で相談したら、「休むんじゃなかったんですか~?! まぁイマヅさんのことだから、こうなるような気はしてましたけど」と笑われた。まぁそうだよね。

 

 夜はアマチュア・オーケストラの演奏会に行った。オーケストラは初めてで、アマチュアという冠はついていながらも厳粛な雰囲気に戸惑ったが、そのことも含めてそれなりに楽しんだ。

 

 ぼくは何かと極端から極端へと走る。せっかくだから、もうちょっと楽しまないとね。