60|181025|大沼公園

 札幌から函館へと向かうスーパー北斗に乗りこんで3時間余。大沼公園駅に到着した。夕方5時前だが既に陽は落ちて薄暗く、駅前には人通りもなく物悲しい。札幌と比べて随分と冷え込んでいる気がする。駅から徒歩数分のレストランで軽く夕食を済ませ、送迎バスでホテルへと向かう。

 

 中型バスにはぼく一人のようだ。「キタキツネがたまに出るんですよ」と運転手さんが言うも間もなく、黄色い小動物が姿を現した。このあたりはキツネだけでなく、リスもウサギも鹿も狸も熊も出てくるらしい。何もしなければ襲ってこないそうだが、熊が出れば警報が鳴るとのこと。

 ここで暮らす人にとって、それが日常の風景であり、生活の当たり前なのだろう。それなりの都会で生まれ育ち、今もそのときと大差ない日常を生きているぼくとは、どんな風に世界が違って見えているのだろうか? 最近そんなことをよく考えている気がする。

 

 ホテルには温泉があり、しかも露天だった。嬉しい。露天風呂の前には大きな沼が広がり、沼をはさんで紅葉した木々がライトアップされている。自身も自然の一部となって癒されている感じがする。明るい時間帯にこの風景を眺めたいと思いながら風呂場を後にする。狙ったわけではないが、今が紅葉を楽しむのにベスト・シーズンのようだ。ついているかもしれない。

 

 移動したからだろうか、ズシリと疲れている。明日から新しいリズムをつくり直さなければならない。