83|181117|函館

 沖縄を出たのが1017日だったから、ちょうど1ヶ月が経ったことになる。数日後には久しぶりに沖縄の家族のもとに戻る。

 振り返れば、この1ヶ月あっという間だった。怠惰に過ごしていたわけではないつもりだが、ストイックに日々を送っていたわけでもない。起きて、決まったことをやって、朝食を食べて、ノートに向かって、夕食を食べ、風呂に入り、娘と電話をして、眠った。ほとんど毎日がその繰り返しである。しかし、いや、だからこそと言った方が適切かもしれないのだが、それなりによく生きていると自分にオッケーを出してやりたいと思う。いつも書き始めのタイミングは、ペンを持つことができないほど右手が痛む。意を決して書き始めると、それなりに進み始める。そんな右手も含めたぼくの身体は、よくがんばってくれていると思う。

 

 当初思っていた以上によくやっているとは思いつつ、当初思っていた以上に相手も手強い。思うようには進まない。毎日行けるところまで行くしかない。その繰り返ししかない。資金的にそう余裕があるわけでもないから、決めた期日を安易な気持ちで延ばすわけにもいかない。しかし焦ったところでゴールが近づくわけでもない。少しだけ先を視野に入れながら、具体的に手足を動かし続けるしかない。

 

 これまでの人生の歩みを振り返っているわけだが、相当デタラメで、行き当たりばったりで生きてきたことに我ながら驚く。それを思えば、何があってもどうにかなるんじゃないかと少し救われる思いもなくはない。あれだけ危ない橋を渡り続けてきたんだし、まぁなんとかなるんじゃないかしらと。もちろん当時は、その危うさそのものを認識していなかったからこそ渡り切れた気もするのではあるけれども。

 

 夕方は刺身、寿司、吸い物、雑炊と「根ぼっけ」尽くしだった。店の大将がそれを30年前に広げた当人らしい。いい感じで愛想があって、いい感じで無愛想だった。仕事への愛とプライドを感じた。とてもいい気分になった。今日は焼き物を食べれなかったので、滞在中にまた来るつもりでいる。

 

 ホテルに戻り、最上階にある夜景バーに行ってみることにした。悪くはなかったが、先日函館山から眺めてしまっていたから、とりたてた感動はなかった。函館山100万ドルにしても、夜景バーにしても、なにごとも直接体験してみないと分からないことばかりだ。