116|181220|大阪

 新しいプロジェクトのキックオフ・ミーティング。夏から地道に仕込んできて、いよいよ具現化に向けた動きが始まる。総勢8名のチームの顔ぶれだが、これが初めての関わりになる人もいる。可能な限りで下準備はやってきた。あとは実際に動き始めてみないと、何が起こり、何が生まれてくるかは想像もつかない。今日の場をつくるところまでがぼくの最大の持ち場であったのかもしれない。

 

 チーム・メンバーは個性的で実力ある方々が揃っている。それぞれが持ち合わせているものを、可能性も含めて表現し、一つずつ積み重ねていくことによって、行き着くところまで到達できるという感触を得た。そこにはチームの気配があったし、これからの関わりを通じて、ぼくたちはチームになっていくのだろう。

 

 人はそれぞれ個性的で、誰一人として同じ人はいない。そんな当たり前を大切にしながらプロジェクトを組み立てている。違いをもった人が集まり、その違いから生まれるかもしれない価値創造の可能性にぼくは惹かれる。それは、その場に誰一人として欠けていたとしても生まれ得ないものである。

 

 そして、その場に新しい何かが生まれたとすれば、ぼくたちがそのプロセスのなかで、持てるものを差し出し、時に交換し、関わりあって、それぞれが学び変容したということでもあるのかもしれない。ぼくは、仕事を通じて他者と関わり合えることをありがたく思う。他者と深く関わり、学び、新たな自分と出会っていくために、ぼくたちは仕事という形態をまとった「媒介」を必要としているのかもしれない。

 

 ぼくにとって、そしておそらくはチーム・メンバー全員にとっても、新しい挑戦が始まった。それを実際的に始められたこと、そして、その場に始まった気配を感じられたことに、ぼくは深い幸福と安堵を感じている。