134|190107|札幌

 札幌の寒さは、少し和らいだ気がする。

 

 娘は沖縄に戻り、妻と合流。親と物理的に離れた時間を過ごすことは彼女にとっての大冒険だっただろう。大阪のおばあちゃんのところに行きたいという思いと、一人で飛行機に乗ってパパママが身近にいない生活を送ることが怖いという思いとのあいだで、どうしたらいいか揺れているように見受けられた。

 

 妻によれば、那覇空港に到着した娘はぐったりした様子だったとのこと。大いに楽しみ、さまざまな経験をしたのだと思う。勇気を出して一人で大阪に行って良かったと思っているんじゃないだろうか。いつもとは違う環境に適応するためにも懸命にがんばったのだろう。しかし正直なところ、ぼくには彼女のことがよく分からない。

 

 少し気を緩めれば、その人のことを分かっているかのように思いこみ、あるいは人生についてよく理解しているような顔をして、上から目線で講釈を垂れてみたり、勇み足に先回りしてしまう癖が出てしまう。ぐっと腰を入れ、しかと当人の声に耳を澄ませることができればいいのだが、つい自己都合が首をもたげてくるのである。

 

 ぼくは自らに問う。彼女にどんな人生を歩んでもらいたいと願っているのかと。そしてそう願うぼくは、彼女に実際的にどう関わっているのだろうかと。