136|190109|札幌

 予定が早く終わるメドが立てば、友人に連絡しようと考えていた。その思いは叶いそうにない。1日は長いようで意外と短いものである。

 

 札幌には秋から冬にかけて長く滞在したが、それも明後日まで。しばらく来る予定はない。ここを去る前に晴れやかな気持ちで町中を散策できればと思っていた。しかし現状では難しそうである。

 

 初めて訪れた9月には地震に遭った。あの日からまだ半年も経っていない。ぼくにとっての9月はもう遠い過去にある。

 

 これまでの人生、これほどの雪にまみれながら道を歩いたことはなかったかもしれない。日暮れ後の公園を歩く。雪の舞う風景を動画で撮る。娘に見せてやろう。

 

 ぐっと踏みとどまり続けることぐらいしかできなかった。前に進むことはできなかったし、とは言え後ろに戻るわけにもいかなかった。もどかしさを抱え、せめて今の務めぐらいは果たそうとしてきた。札幌の冬は寒く、今のぼくにはぴったりだった。札幌を選んだのは間違っていなかったように思う。

 

 泣いても笑っても残り2日。最善を尽くし、行き着くところまでは行ってみたい。